我ら三商ファミリー
三商の同窓生同士で結婚するケースは多いようです。旧制府立三商時代では男子校でした。1952年昭和27年卒19期生からは女子が4名卒業、36期生からは男女比率は逆転しましたが、相当のカップルが誕生したり、兄弟姉妹、親戚で三商生だったケースは多いと思います。そこで「我ら三商ファミリー」としてそんな三商同窓生のファミリーをご紹介させていただきます。
三商ファミリー1回目は、22期荻野弘康さんのファミリー。4人が三商卒業生です。
現在南千住で会計事務所を経営されている1955年昭和30年卒22期生の荻野弘康さんのファミリーは会計人家族です。奥様の通子さんは27期生でしたが3分の一しか女子がいない時代でしたから大変モテたに違いありません。何故5歳も下の三商同窓生とご結婚なさったのかは?荻野さんの同期生22期金井一夫さんの妹さまが通子さんだったのです。ですからこれで三商ファミリーは三人になりました。荻野さんの4つ下の弟さま秀道さんも兄の通った三商を目指して入学なさったのです。これで4人となりました。三兄弟の末っ子の信樹さんは別の商業高校から税理士の道へ進みました。
22期生弘康さんは高校生で起業!スーパー高校生
中学生時代に珠算一級を取得した弘康さんは三商生時代にそろばん塾を自宅に開業しました。お父様は警察官でしたから家業を継いだわけではありません。当時は町に必ずそろばん塾があった時代とはいえ、高校生が経営者になるとは信じられませんね。当時の収入だけでも三商教師の給与を上回っていたそうです。もちろん高校の学費も中央大学への進学費用や学費も自分で稼いだわけですから、商業実践を自ら行っていたことになります。南千住発22番と28番の都電を乗り継いで三商に通い、学業終了とともにすぐ自宅に戻り塾を運営したり、深夜までガリ版きりの問題集作成や採点をしていたそうです。スーパー高校生ですね。
荻野三兄弟 荻野そろばん塾にて
左 26期荻野秀道さん
中 22期荻野弘康さん
右 弟 荻野信樹さん
日本一を輩出している荻野三商ファミリー
22期弘康さんは全国簿記コンクールで個人優勝、弟の26期秀道さんは珠算日本一、さらには27期奥様通子さんも三商時代に放送部で、東京都放送コンクールで優勝なさっています。24期金井一夫さんも公認会計士として活躍なさり、平成17年にはその功を認められ「旭日小綬章」を授賞なさっています。まさに三商ファミリーの真価発揮ですね。 荻野秀道さんも公認会計士の道を進み、活躍なさいましたが残念ながら平成9年にご逝去なさいました。
「三商会計人会」でも活躍中の荻野弘康さん
22期荻野弘康さんは三商同窓生で会計士や税理士の方々の会「三商会計人会」の副会長・「中央大学会計人会」会長としても活躍中です。この「三商会計人会」は多くの会計人を輩出した都立第三商業の校歌から名付けた「都の空」という会報誌を毎年発刊しています。この会報誌をお借りしてきましたので三商アーカイブスに保存させていただくことにしました。
荻野弘康さんも金井一夫さんも亡くなわれた秀道さんも三商で商業科目の基礎を学び、さらに大学で勉強を深めて、難関の税理士試験を突破されて会計の世界で成功を治めていらっしゃいます。商業高等学校の利点である商業教育を高校時代にしっかりと勉強なさった「荻野三商ファミリー」は私たち三商同窓生の誇りと言っても過言ではないくらい素晴らしい同窓生です。現役の三商生にもぜひ伝えたい三商ファミリーでした。 2014年1月取材